Publication date: 30 Oct 2024
アジア太平洋地域*のAI投資が2028年までに1,100億ドルに到達
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AI/生成AIの採用がCAGR24%で急増、AI技術のグローバルリーダーとしての同地域の地位を確立
Japan, 2024年10月30日 - アジア太平洋地域(中国と日本を含む)では、AIおよび生成AI技術の採用が顕著に加速しており、これにはAI駆動型システム用に設計されたソフトウェア、サービス、およびハードウェアが含まれます。 International Data Corporation ( IDC ) の最新の調査データ「Worldwide AI and Generative AI Spending Guide 」では、同地域におけるAIおよび生成AI(GenAI)への投資は、2023年~2028年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)24.0%で成長し、2028年までに1,100億ドルに達すると予測されています。この急増は、AI革新の未来を形作り、世界規模で技術進歩を推進する上で、同地域が重要な影響力を持っていることを浮き彫りにしています。
「組織が生成AIの実験のフェーズから、より大規模な企業実装のフェーズへと移行するにつれて、包括的なAIガバナンスの重要性が増している。このアプローチは、AIプラットフォームやモデルなどの技術的フレームワークを考慮するだけでなく、内部および外部のステークホルダーの利益を保護するために、規制、組織、文化的側面にも対応している。したがって、AIガバナンスはデータガバナンスよりもはるかに大きな概念であり、企業のAI戦略の不可欠な部分でなければならない」と、IDC APJ(Asia/Pacific and Japan)の Big Data & AI(ビッグデータ&AI研究部門)のHead of Researchである、ディーピカ・ギリ( Deepika Giri ) は述べています。
2024年にIT市場において23.8%の市場シェアを持つソフトウェアおよび情報サービス分野は、AIの採用において主要な業界の一つとなっています。プロフェッショナルサービスにおけるAI投資の大部分は、AIインフラストラクチャの提供に割り当てられています。サービスプロバイダーがAIシステムのITインフラストラクチャを管理し、エンドユーザーがAIシステムの開発やAIサービスを提供するために演算処理およびストレージのリソースを利用します。
銀行業界は、AIの早期導入者として、業務効率の向上、顧客エクスペリエンスの強化、セキュリティの強化に向けた投資を行い、引き続きその採用を加速させています。顕著な使用例として、AIを活用した不正検出、パーソナライズされたリコメンデーション、自動化されたカスタマーサービスが挙げられます。銀行は、より深い顧客に関する洞察を得るため、ビジネス成長に向けた傾向モデル分析(過去の顧客行動データを分析し将来の行動を予測するモデル分析)を強化するため、そしてよりデータ駆動型の与信判断を行うために、AIを活用しています。これらすべてがコストと時間の節約に貢献しています。一方、通信企業もAIと生成AIを急速に採用しており、ネットワーク運用の最適化、仮想アシスタントによる顧客サービスの向上、予測保守の強化に活用しています。AIは膨大なユーザー生成データの管理に重要な役割を果たし、サービス品質の向上と新たな収益機会の創出につながっています。
「APJ(日本を含むアジア太平洋)地域におけるAIと生成AIの採用は、ビジネス戦略と価値創造に顕著な変化をもたらしています。企業はAIを活用して効率性を高め、顧客エクスペリエンスを豊かにし、新たな成長機会を開拓しています」と、IDC Asia/Pacific、Data & Analytics(データ&アナリティクス部門)のシニアマーケットアナリストであるヴィナヤカ・ヴェンカテシュ( Vinayaka Venkatesh ) は述べています。「AIへの戦略的注力は、この地域をデジタル成功の新時代へと導いており、AIを活用したインサイトとソリューションがビジネスの未来を変革しています」とヴェンカテシュは締めくくりました。
AIの採用はアジア太平洋地域全体の産業を急速に変革しており、主要なユースケースがこの技術の広範な影響を示しています。AIインフラストラクチャの提供の分野以外に、急成長しているAI実装の主要分野には顧客サービスが含まれます。これは、組織がAI技術を活用して顧客エンゲージメントを向上させ、サービスプロセスを効率化し、大規模にパーソナライズされた体験を提供する重要なビジネス機能として注目されています。顧客サービスにおけるAIおよび生成AIの採用は、企業と顧客との関係を変革し、より人間らしく共感的な相互作用を可能にしています。
AIによって強化された不正分析と調査は、AIが大きな影響を与えている重要な分野です。機械学習アルゴリズムを活用することで、金融機関は膨大な取引データをリアルタイムで分析し、不正行為を示すパターンを検出できます。このプロアクティブなアプローチは、即時の不正検出を可能にするだけでなく、新たな不正手法に継続的に対処することで将来のインシデントを防止するのにも役立ちます。
政府の事業において、AIは、効率性と意思決定を向上させることで、さまざまな部門に革命をもたらす可能性があります。たとえば、AIはリアルタイム分析と予測的洞察を通じて脅威インテリジェンスと予防策を改善し、リスクを軽減できます。防衛分野では、AIは監視と戦略的作戦を支援し、公共安全の分野では、緊急対応時間とリソース配分を最適化します。さらに、AI駆動型の調査/情報システムは対テロ活動を強化し、国家安全保障に対して積極的な姿勢を育成します。全体として、これらの分野におけるAIの採用は、重要な政府機能においてプロセスを合理化し、精度と対応力を向上させます。
*中国と日本を含むアジア太平洋地域
**市場区分に関する注記:AI活用アプリケーション市場には、自動的に学習し、発見し、リコメンデーションや予測を行うプロセスおよび産業アプリケーションが含まれます。これらのアプリケーションは、自然言語処理(NLP)、検索、機械学習(ML)を使用して、幅広い分野で専門的な支援を提供します。AI活用アプリケーションとみなされるためには、AIが以下の条件を満たす必要があります。「AI技術がアプリケーションの機能に中心的かつ不可欠であること」「AI技術が何らかの機械学習と、ユーザー/データの相互作用または知識表現能力を含むこと」「そしてAIアプリケーションが時に他のビジネスアプリケーション(すなわちERP、CRM、SCM、HCM)と併せてのみ購入される場合があること」です。生成AIは、AIのサブセグメントであり、教師なしおよび半教師ありのアルゴリズムによって、コンピューターが短いプロンプト入力に応答して、テキスト、音声、ビデオ、画像、プログラミングコードなど、過去に作成されたコンテンツのデータを活用することで、新しいコンテンツを作成する学習アルゴリズムを含みます。
IDCの調査データ「Worldwide AI and Generative AI Spending Guide (V2 2024)」では、ユースケース、技術、産業、地理的視点からAI(人工知能)および生成AI(GenAI)システムの機会を検証しています。このIDC Spending Guideは、9つの地域と32か国に渡る27の産業における42のユースケースのデータを提供することで、AIの市場機会を定量化しています。データは2種類のAI(生成AIとその他のAI)、17の技術を含む9つの技術カテゴリーからなる3つの技術グループ、および2つの展開タイプ(パブリッククラウドサービスとオンプレミス/その他)について利用可能です。
IDCの調査データ製品「AI and Generative AI Spending Guide」で提供されるデータ仕様の詳細については、製品概要 をご覧ください。
また、2024年11月13日には関連ウェビナー「国内市場の現状 - 国内 IT 投資と AI 支出のトレンド 」を開催いたします。2024年第2四半期(4~6月)までのIT支出とマクロ経済環境を概観し、IDCの最新IT投資とAI支出の予測を解説します。ぜひご参加ください。
本製品の詳細についてはIDC Japan へお問い合わせください。
IDCのデータ製品の全ラインナップと、ビジネス成長にそれらを活用する方法については、こちら からお問い合わせください。
IDC Spending Guideについて
IDC Spending Guideは、主要な技術市場について、地域別、産業分野別、ユースケース、バイヤー、技術の観点から詳細な見解を提供します。IDC Spending Guideはピボットテーブル形式またはカスタムクエリーツールで提供され、ユーザーはデータトレンドとデータ間の関係性を示すことで、各市場に関する有意義な情報を容易に抽出できます。
*** 本プレスリリースは2024年9月にIDC Asia/Pacificで発行されたプレスリリース を翻訳したものです。